-呪歌-

「そうそう、今日林の奥の方に行ったんだけど、その時に凄いところ発見しちゃった!」


美咲が思い出したかの様に言った。


「何かね、『立入禁止』って書いた札の立ってる神社の入り口があったのよ〜!
ねぇ、今夜で最後なんだし、みんなで肝試ししてみない?」

「えぇ〜!マジで?
そういうトコって本物の幽霊とかいそうじゃね?」


「あれ?武、怖いのぉ?」


美咲がニヤニヤしながら言った。


「まぁまぁ、思い出作りに試しに行ってみるのもいいかもよ?」




みんな最初は怖がっていたが、次第に話も盛り上がり乗り気になっていった。


ただ一人
霊感の強い晴海だけは、最後まで浮かない様子ではあったが・・・


美咲は、そんな晴海を強引に誘い、仕切り始める。


「じゃあ決まりね、夕飯食べて一息ついたら出かけましょう。
信二はそれまでに荷物をまとめておくこと!」


口うるさいなぁと思いつつ、信二は適当に相槌を打った。




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