-呪歌-

【協力者】


日の光がジリジリと陽子の頬を照らす。


手にはずっしりとした旅行鞄が握られている。


向う先は美咲のアパートだ。



残る四人は葬儀の後日話し合い、なるべく一人では居ないようにという事になったのだ。

今までの出現データを考えると、あの霊が姿を現すのは決まって一人でいる時。

確証は無いが、少しでも安全だと思われる対策を取る事にしたのだった。




本来なら陽子と武が泊まりあうのが自然だが、残る信二と美咲の二人が泊まり合うには少々体裁が悪い。


それ故、事が落ち着くまで男二人、女二人で一つ屋根の下という形で落ち着いたのだった。

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