-呪歌-
「美咲の家はここからバスに乗らなきゃ・・・」
目的地まで運んでくれるバス停まで足を運んでいる最中。
「・・・・陽子?」
背後から女性の声がした。
その女性は背後から回り込み、陽子の顔を確認した後に再び
「あ〜!やっぱり陽子だ!
久しぶり〜、元気にしてた?
高校の卒業式以来じゃない?」
「ウソ!今日子!?
久しぶり〜!まさかこんな所で偶然会うなんて思わなかったわ〜!」
彼女の名前は白石今日子。
陽子の高校時代の親しい友人である。
陽子は地元から離れた大学
。
彼女は地元の短期大学に進学して、今は別々の道を歩んでいる。
「元気してた?
そっちの大学の調子はどうよ?
ってか、募る話も沢山ある事だしどっか入って少し話そうよ」
夕方までに美咲のアパートに着けば良いので、時間は余っている。
久しぶりの友人との再会であることだし、陽子は二つ返事で誘いに乗った。
静かなクラシックが流れる落ち着いた店で、二人は昔話に花を咲かせた。