-呪歌-
二人のやり取りを全く気にしない様子で、真由美が尋ねる。
「何か検索するキーワードに使えそうな物はない?
歌詞の一部とか」
恐怖のあまり、歌詞などほとんど頭に入ってはいなかったが、陽子は必死に記憶を掘り起こした。
「えーっと、
『おにおめん』と・・・後は・・・」
断片的に思いつく限りの、使えそうな単語を真由美に伝える。
真由美はそれを元に検索をかけ始める。
「おーい、真由美いるか?」
「あっ!勇司!」
練習をサボった光一のバンドメンバー、小林勇司が呑気な声と共に部室のドアを開けた。
「バカ!お前今日なんで練習こなかったんだよ!
真由美悪ぃ。
ちょっとこいつ借りてくわ。
あ!その呪いの歌、何かわかったら後でメールでURL送って」
そういい残し、光一は勇司を連れて部屋を出て行った。
ハイハイと軽く返事をして作業に戻る真由美。