-呪歌-
【森田家】
早朝、待ち合わせの前に自分の家に立ち寄る陽子。
急な共同生活の始まりだった為、色々と無くては不便な物が出てきてしまったので、一度家に取りに戻ったのだった。
「泊りがけでレポートはいいけど、相手方の迷惑になるからなるべく早く帰ってくるのよ」
母親の小言。
「うん、もう少しだから」
私だって、出来る事なら早く例の件を片付けて帰りたい。
そう心の中でつぶやいた。
陽子の父は土曜出勤の準備をするために、洗面所でヒゲを剃っている。
廊下を通り過ぎながら、何気なく父のいる洗面所の方に目をやる。
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