-呪歌-

そんなやり取りをしているうちに、一同は神社の入り口に辿りついた。

漆黒の林の中に続くひび割れたり、雑草が吹きだしている石段。
その一番下の脇に、『○×神社』と掘られた石が立っている。


その手前の木と木を繋いだロープの中央に『立入禁止』の傷んだ札がぶら下がり、風に揺れてさまよっていた。


「こんなロープ一本だけじゃ、くぐれば楽勝で入れちゃうね」


武が言った。


「美咲が懐中電灯持ってるんだから、美咲先に入れよ」


信二に急かされるまま、ロープをくぐる美咲。
それに続くように、皆いそいそとロープをくぐった。


「所々石段が欠けて無くなってるから、みんな足元に気を付けてね」


美咲が注意を促す。


月明かりと、わずかな懐中電灯だけが頼り。
陽子は慎重に足元をうつむいて確認しながら、皆に遅れないよう急いだ。
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