-呪歌-


「ふむ、洋子ちゃんと言ってね、春美ちゃんの隣の家の子だったよ。

この二人はお父さんが同じ会社でねぇ、両家家族ぐるみの付き合いだったよ。

もっとも、春美ちゃんのお父さんは春美ちゃんが二つの時に事故で亡くなったんだがねぇ。

その後も洋子ちゃん家の人達は、春美ちゃん親子をたいそう気にかけてらしたわぃ」

「そうだったんですか・・・

洋子ちゃんは今どうしてるんでしょうか?」



武の問いに、店主は首をかしげた。


「さぁ、どうだろうねぇ?

お隣さん、よっぽどショックだったらしくて、事件が起きてしばらくしたら、どっかに引越しちゃったからねぇ。

私も春美ちゃんに、せめて大好きだった飴やお菓子でもお棺に入れてあげようと思ってお葬式にいったんだけど、お隣の奥さんは、そりゃもうわんわん泣いて・・・

よっぽど悲しかったんだろうねぇ・・・」



胸が痛くなるような話だ・・・・



二人は丁寧にお礼を言い、更なる情報を求めてたばこ屋を後にした。



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