-呪歌-
「一家全員死んでいなくなるなんて、可愛そうな話だよな・・・・」
武が同情を寄せる。
「え?全員じゃないわよ?」
美咲が意外な言葉を口にする。
「どういう事?」
森田早苗、森田春美。
この二人以外に家族がいるというのは初耳である。
なぁんだ、知らないのかとでも言う様な笑みを浮かべながら、再び美咲が話し始める。
「私達森田家があった跡地にも行ってみたのよ。
あんまり長い間ウロウロしてたから、近所のおばさんに声かけられちゃって・・・エヘヘ。
そしたら、そのおばさんが、凄っごいおしゃべりっていうか、噂好きなおばさんで色々教えてくれちゃった。
何でも、春美ちゃんには凄く歳の離れたお姉さんがいるらしいわ。
春美ちゃんの家、再婚家庭だったらしいよ。
森田家両親との間の子どもは春美ちゃんだけで、お姉さんは父親の連れ子だったらしいの。
異母姉妹ってやつね」