-呪歌-

「『この子と私の』は多分この異母姉妹の事。

『継母』は森田早苗の事。


そうすると、最後の方っておかしくないか?

『この子』が腹違いのお姉さんなら、殺されもしてないし、埋められてもいないだろ?」



信二はゆっくり息を吐きながら、しばらく考え込む。


「そうだなぁ・・・・

殺されてる人間がもう一人別にいるか、それとも・・・

この歌を作ったのって、霊とは言え、まだ五歳の子供だろ?
作ってる間に表現がおかしくなってきちゃっただけじゃないのか?

ほら、死んでる自分を、幽霊の自分が見下ろして、客観的に『この子』って表現したとか・・・」



「うーん・・・・」

腕を組み、険しい顔をして上を向く武。


もっと詳しい情報を手に入れないとな・・・


現段階では、複数の仮説を絞り込むための判断材料がなかった。



明日、他のメンバーの話も聞いてみよう。

< 68 / 90 >

この作品をシェア

pagetop