-呪歌-
「『この子と私の』は多分この異母姉妹の事。
『継母』は森田早苗の事。
そうすると、最後の方っておかしくないか?
『この子』が腹違いのお姉さんなら、殺されもしてないし、埋められてもいないだろ?」
信二はゆっくり息を吐きながら、しばらく考え込む。
「そうだなぁ・・・・
殺されてる人間がもう一人別にいるか、それとも・・・
この歌を作ったのって、霊とは言え、まだ五歳の子供だろ?
作ってる間に表現がおかしくなってきちゃっただけじゃないのか?
ほら、死んでる自分を、幽霊の自分が見下ろして、客観的に『この子』って表現したとか・・・」
「うーん・・・・」
腕を組み、険しい顔をして上を向く武。
もっと詳しい情報を手に入れないとな・・・
現段階では、複数の仮説を絞り込むための判断材料がなかった。
明日、他のメンバーの話も聞いてみよう。