-呪歌-

「ねぇ、この辺やけに暗くない?」


少し怖くなってきた陽子が弱音を吐く。


「ちょうど後ろの林のせいで月の光がさえぎられてるせいじゃない?」


武はそういいながら、不安そうな陽子の手をぎゅっと握った。


「晴海大丈夫?」


先の件で心配してくれている信二が気遣う。


うん、大丈夫。と、答えようとしたその時。



アハハハハ・・・・

モウ・・・ハシ・・・タヨ

フフフ・・・・



今にも消え入りそうな、小さな女の子の声がかすかに聞こえた。
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