緑色の手紙
あの男…櫻田佑が部屋を出て行ってから数分、
やっとのことで支度を終え時計を見てみると既に時刻は9:00を過ぎていた。
「…ッて、完璧遅刻!!
なんでもっと早く起こさなかったのよ-!!」
机の上に置いてあったご飯にも目もくれず急いで家を出た。
「……ッ…はぁ…はぁ…
遅れ……ました……」
駅から全速力で止まりもせずに走ったおかげでなんとか2時間目には間に合った。
「また神楽坂は遅刻か…
少しは櫻田を見習ったらどうだ?
あいつは新学期から遅刻なんて一回も…」
「はいはいわかってますよ」
適当に先生をあしらいさっさと自分の席につくと隣の席の神木尚太が話しかけてきた。
「今日で遅刻9回目だぞ
お前絶対社会人になっても週1で遅刻しそうだよな」
「うっさいなぁ
眠いんだからしょうがないじゃない」
そんなたわいもない会話で盛り上がっていると、
あっという間に授業が終わっていた。