ナンパ男との恋

第八章 逃げ

現実と向き合って
きちんと受け入れないと・・


私は、その日から
携帯の電源を切った。


自分から　
輝樹との連絡を断ち切るなんて
思いもしなかったけど・・・


私と輝樹の繋がりは
本当に　携帯だけなんだ。と
思い知らされた。


携帯さえ繋がらなければ
もう　おしまい・・・


自分で決めた事なのに
いつまでたっても
輝樹の事は　頭から離れない。

パーカー返さなくちゃ・・・
いとこくんに渡してもらおうか・・・


最後に会った日にもらった
指人形を見るたび
会いたい、会いたい・・・
そんな事ばかり考える。
捨てればいいのに、捨てられない。

そんな私を見かねて
美香が　


「よし、春菜。
明日は久しぶりに　
新たな出会いを求めて
はじけよう～！」


そうだ。
輝樹を忘れるには
次の恋を見つけなくちゃ・・・


しばらくは　無理かもしれないけど
気は紛れるかもしれない。


輝樹に会う可能性もあるけど
その時は・・・・

・・・・逃げよう。

「よーし！
いい男見つけよう～」


まぁ・・・
ナンパで
いい男なんて
見つかるわけないけどさ・・・