ナンパ男との恋
「・・・話って?」
縁石に座り地面を見つめたまま
静かに聞いてくる様子の
逆瀬川くんを見ると
言葉が出てこない・・・
けれど
このままじゃ
もっと傷つけてしまう。
「っあのね、私
逆瀬川くんが思ってるような女じゃないの。」
「どういうこと・・?」
驚いたような顔で
私の方に目を向けた。
「私、夜遊びだってするし
ナンパとかも行くし・・・
すぐ付き合って、別れて
そんな事繰り返してるような
中途半端な女なの」
「うん?知ってるよ?
駅のベンチとかに座ってるでしょ?
前、俺も兄貴達と行ってて
よく見かけたから・・・
気づいてないみたいだけど
佐々木さん狙ってる男子って
学校に多いんだよ?俺もその一人だし。
・・・それに、
俺は、ちゃんと佐々木さんの性格は
分かってるつもりだから・・・
だてに1年ちょっと見てきたわけじゃないしね。」
1年ちょっと・・・?
「・・・いつから
その、私の事知ってたの?」
「佐々木さんが入学してきて
3ヶ月?くらいの頃かなぁ?
覚えてないだろうけど
一応 話した事あるんだよ?」
私が1年生の頃から・・・
しかも話した事があったなんて
・・・全然覚えてない自分が情けない