ナンパ男との恋
「ところで・・・・
佐々木さんの話って
その 俺が思ってるような人じゃないって事だったの?」

それもあるけど・・・・
まだ忘れられない人がいるって事
きちんと言わなくちゃ・・・

「あ、と・・・
その・・・・
私、まだ前に付き合ってた人の事
吹っ切れてなくて・・・」

「あー・・・そっか
うんうん・・・
吹っ切れてない・・か」

少し言葉に詰まりながら
また地面を見つめ
沈黙が しばらく続き・・・

何かを思い出したように
私の方に顔を向けた。

「俺さ、待つよ!」

・・・待つ?

私が輝樹を忘れるまで待つって事?

「そんなのダメだよ!」

「何で・・?」

「だって・・・・
これからの事なんて
自分でも分からないから・・」

「佐々木さんが俺の事を好きにならない可能性もあるから?」

・・・それも否定できない。

でも そんな事言えない・・・

言葉が出てこない私は
きっと 逆瀬川くんにとって
残酷な事をしている。




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