ナンパ男との恋

「浮気してようが
お前には関係ねぇだろ？」

「やっぱり　浮気してるんじゃない」

「だから、お前に関係ねぇだろ？
俺と付き合ってる女を見れば　もう諦めるって言ったのお前だろうが？
つーか、もう　いいかげん付きまとうのやめれば？
はっきり言って　みっともねぇし。
こんな付きまとわれても　今まで以上に　嫌気がさすの分かんない？」

ため息まじりに　そう言い放つ様子を見ながら
自分が言われてるわけじゃないのに・・・
分かってるのに・・・
胸の奥が　ズキズキする。

「・・・分かってる・・・
でも、でも好きなんだもの・・・
どうしようもないくらい
好きなの！」

「姉ちゃん・・・
もう帰ろう・・？
もういいじゃん・・ね？」

・・・・・・・・・・・・

「春菜！？」

「え・・・？」

ここの空間にいる人達が
みんな私に集中している。

「春菜・・・？」

輝樹の驚いたような声で
ようやく　自分の頬に
涙が流れてる事に気づいた。

「え？あれ・・・・
どうしたんだろ・・
何これ・・・止まんない・・」

泣きたいわけでもないのに　
自分の意識とは反対に　どんどん涙が流れて　止まらない。

「ど、どうした？
何で　いきなり
泣き出すんだよ？」

「え？分かんない・・・
どうしちゃったんだろ・・・
止まんない・・」

周りにいる人が
不思議そうに
私を見ているけれど
自分自身・・・・

何で涙が流れてるのか
何で涙が止まらないのか

分からない。

ただ、次々と
涙が流れ出る。