ナンパ男との恋
「佐々木さん・・・・
何で・・・・何で、
姉ちゃんも、佐々木さんも
何で しんどい方向にばっか・・・」

唇を噛み締めながら
逆瀬川くんが
うつむいたまま
独り言のように呟いた。

「おい、小僧。
1つだけ、お前に言っといてやるよ。」

「何ですか?」

輝樹の怒ったような声に
逆瀬川くんは
うつむいてた顔を上げ
睨みつけるように
輝樹の方に目を向けた。

「俺は 自分で
ろくでもない男だって分かってるから
お前の姉貴にも、春菜にも
普通の そこら辺のカップルみたいな付き合い方はできないって事を言って
ちゃんと選択を与えてるぞ?
まー、お前の姉貴の場合は
騙そうとしたから 愛想つかしたんだけどな。」

「選択って・・・・
それって
あんたと付き合うって事は
真剣な恋愛はできないって事なんじゃないですか?」

「あはははは
そうくるか。
さすが、ガキは一直線だな~
真剣な恋愛ねぇ・・・・
俺なりに 真剣なつもりなんだけどな。
まぁ、今は
こいつ、春菜の事
ちゃんと考えてるから
心配すんなよ。
お前も、お前の姉貴も
もうちょっと 周り見渡してみ?
いつまでも 未練タラタラじゃ
何も変わんねぇぞ?」


輝樹の言葉に
逆瀬川くんは
もう、それ以上 
何も言い返さなかった。



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