ナンパ男との恋
第五章 可能性
家に着くなり
私は 荷物も下ろさず
携帯と財布だけを持って

走った。

通り過ぎる人が
変な目で見てるけど
そんなのどうでもいい。

1分でも早く
代わりの携帯を買わなくちゃ
輝樹と会えなくなる。

もしかしたら
もう連絡がとれないかもしれない。

でも、少しの可能性でも
信じたい。

必死すぎて
ものすごく かっこ悪いけど
後悔だけはしたくない。


走りすぎて
息も苦しい上に
クラクラする・・・

息を整える余裕もなく
店内に入ると
店員さんも
引き気味・・・・

「あ、の・・・
この・・携帯・・・ふぅ・・
水没しちゃって・・・」

話しながら 少しずつ
呼吸も安定してきた。
苦しいけど・・・

「あ、はい。
番号は変えますか?」

「いえ!番号は そのままで」

「少々高くなるかもしれませんが・・・」

「いいです!早く
繋がるようにして下さい」


待つ事 30分。

新しい携帯が
ようやく繋がった・・・

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