ナンパ男との恋

「いったい　どうしたの？」

美香が心配そうに
私の顔を覗き込んでいる。

美香が心配するのも
無理もない。

今日の私は
ほんと、いつも以上に
学校でドジ連発だった。

朝は遅刻するし
数学の時間なのに
科学の教科書出してるし、
学食では
オムライスぶちまけるし・・・

極めつけは
階段降りてたら
まだ３段残ってるのに
地面かと思って
階段から落ちるし・・・・

散々な一日だ。

「また例の彼氏と何かあった？」

痛い所を突かれた・・・・

「ん・・・う、ん・・
あったっていうか
なかったっていうか・・」

「あったんでしょ！
まったく、一体
何があったの？」


半分キレ気味の美香の勢いに押されるように
昨日、歯医者で待ってる時の出来事を
正直に話した。



「は？何言ってんの？
ありえないんだけど？
何　その彼氏？
バカなんじゃない？
もう、別れな・・・」



・・・うん。
言いたい事は　痛いほど分かる。

私だって　美香の立場だったら
絶対　そう言うから・・・