僕の天使に贈る唄

静かで長く薄暗い、
そんな廊下を1人で歩く。






“美音”



その名前だけを手掛かりに
俺は歩き続けた。




苗字は知らない。





今考えると、

美音のことなんて
何も知らないんだ。





それでも俺は、
君を愛しいと思う。





壁に貼られている
ネームプレートを

1つずつ確認する。




とても地味だ。




でもこれ以外に
美音を探し出す術はない。





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