僕の天使に贈る唄

「あの、“加宮美音”って・・・」



声が、震えてる。


いや、声だけじゃなく
体も震えている。





じんわりと
手の平に汗が浮き出て

俺は強く手を握った。




そして息を呑み、口を開いた。







「美音って、
俺の知ってる美音?




金髪で肩より少し長めで・・・

長め・・・で・・・」




一生懸命、美音の顔を
浮かべながらそう話す。







でもあとは、
何も言えなかった。



< 157 / 439 >

この作品をシェア

pagetop