僕の天使に贈る唄
その「情けない」の
意味が分からなくて
俺は親父を見た。
親父はジッと、
チョコレートを見ている。
「俺は、
息子の好きなものが
何ひとつわからないんだ。
嫌いなものも、すべて。
何色が好きで、
どんなものが好きで、
何が苦手で、
そういうのがわからん。
俺は19年間も
親父をしてきたというのに。」
そういってため息をついた。
こんな風な親父を
俺は見たことがなかった。
俺は、絶句した。