僕の天使に贈る唄
実感がないから?
俺が冷たいから?
いや、違うか。
まるで他人事のようだった。
ドラマにいるような、
映画館にいるような、
そんな感覚だ。
「お母様、美音さんが
目を覚ましたら・・・
旅行にいかれては?」
「旅行ですか・・・
そういえば行ったこと
ない、です・・・。」
「そうでしょう。
旅行に行く際は
近辺の病院を紹介します。」
「そうですね。
美音と話してみます。」
美音の母親は小さくうなずき
笑顔になった。