僕の天使に贈る唄
「じゃあ俺、帰るから。」
「え、もう!?」
「俺だって暇じゃないし。」
俺がそう、
バカにするように言うと
美音はムッと頬を膨らませ
睨むように俺を見た。
「何それ!
あたしが暇みたいじゃん!」
「お前は早く良くなれ。」
美音の頭に手を置き、
頭と言っても帽子の上だが。
「あはは!
それは奏も一緒だよ!」
えくぼを作りながら
笑う姿は何とも愛おしい。
俺はその姿を、
胸に刻みつけた。