僕の天使に贈る唄

そして目に留まったのは・・・

リンゴの隣にある
果物ナイフだった。





刃渡りはそんなにはない。



でも心臓病の俺には
十分すぎるほどの長さ。





病人のいる部屋に・・・
こんなもの置いとくなよ。


そう思いながらも、
手を伸ばした。




手にすると光の反射で
ナイフが怪しく光った。





これで・・・
美音の所へ行ける。





「美音、今行くから。」




俺はそういって
自分の胸にナイフを刺した。


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