僕の天使に贈る唄

俺はその小さな封筒に
ゆっくりと手を伸ばした。





カサと音をたてて
中身が正体を現す。


緑色の、カード。





そこには、


“臓器提供意思表示カード”


と書かれていた。



いわゆる“ドナーカード”だ。




「・・・は?」



思わず声に出てしまった。




訳がわからなかったのだ。




センセーは俺に
目の高さを合わせる。



そして涙ぐみながら
こういったのだ。


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