僕の天使に贈る唄

優しく手を握る。



温もりはある。




眠っているようにも見えるけど
もう目は覚まさない。







俺は明日手術をする。

美音の心臓を使っての移植だ。







「愛してるよ。美音。」




言えなかった言葉。

ずっと言いたかったけど
言えなかった。



・・・言わなかった。






「ごめんな、
歌作ってあげられなかった。

でも絶対、作るから。」





俺は美音の額に顔を近づける。




チュッと音を立て
額に優しくキスをした。


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