僕の天使に贈る唄
「で? そのコは誰?」
ニコニコと、
この上ない笑顔で笑っている。
話題を入れ替え、
次は俺の話になった。
医者が恋バナで
こんなに盛り上がるか?
俺は腕組みをし
しぶしぶ口を開いた。
「美音、だよ。
美しい音で美音。」
ため息交じりにつぶやいた。
「・・・え?」
一瞬、信じられない
という表情を見せた。
眉をひそめて、
口をまげて、
いかにも知っているような
素振りをしたんだ。