楔
デート
「タク、今度はいつデートしよっか。どこか行きたいところある?」
葉桜が舞う昼の公園を、手を繋いで歩いている私たち。
私の何倍も背の高いタクが、私の彼氏。
スポーツマンらしくない、無造作にのばされた髪が、風に遊ばれているのを見ると、手が勝手に動いて撫でてしまう。
ほら、今だって手が勝手に動いてる。
「なんだよ!」
タクが抵抗しても、絶対止めない。だって、嫌がるタクが子供っぽく見えて可愛いんだもん。
「タク、可愛い~」
「はぁ?バッカじゃねぇの?」
タクは褒められるの苦手。特に、可愛いって言われるのが苦手みたい。褒めると、すぐ顔が赤くなっちゃう。
本当に可愛いなぁ。
なんてことを、心の中で呟いて撫でるのを止めてあげた。
「バカだも~ん。そんなこと、言われなくても知ってますよ~」
「自覚あったんだ。てっきり、そんなのねぇと思ってた」
「ヒドいんだ~!罰としてアイスおごりだから!」
「ふざけんな。誰がおごるかよ」
老人の手から餌を貰おうとしている鳥の声より、噴水で遊んでいる子供の声より、私たちの声はこの公園に響いていた。
葉桜が舞う昼の公園を、手を繋いで歩いている私たち。
私の何倍も背の高いタクが、私の彼氏。
スポーツマンらしくない、無造作にのばされた髪が、風に遊ばれているのを見ると、手が勝手に動いて撫でてしまう。
ほら、今だって手が勝手に動いてる。
「なんだよ!」
タクが抵抗しても、絶対止めない。だって、嫌がるタクが子供っぽく見えて可愛いんだもん。
「タク、可愛い~」
「はぁ?バッカじゃねぇの?」
タクは褒められるの苦手。特に、可愛いって言われるのが苦手みたい。褒めると、すぐ顔が赤くなっちゃう。
本当に可愛いなぁ。
なんてことを、心の中で呟いて撫でるのを止めてあげた。
「バカだも~ん。そんなこと、言われなくても知ってますよ~」
「自覚あったんだ。てっきり、そんなのねぇと思ってた」
「ヒドいんだ~!罰としてアイスおごりだから!」
「ふざけんな。誰がおごるかよ」
老人の手から餌を貰おうとしている鳥の声より、噴水で遊んでいる子供の声より、私たちの声はこの公園に響いていた。