そんなこんなで、いろいろあって入ったゲーセン。
「デートって言ったら、プリ撮らなきゃだよね」
「それ、わかる!てことで、プリを撮ろうよ」
キャッキャッと手を合わせながらはしゃぐ、女子。そのテンションに置いて行かれている、男子。
 そんなことお構いなしに、どれで撮るか相談していた。
「あれは?」
「あれ、ちょっと写りが…」
「あ、あれ新しいよ」
「ホントだ!」
「あれで、決定だね」
相談が終わった模様の女子。相手と話がかみ合わない男子。
 話を聞いてなくても、一目でわかる。タクの困った顔は。
 それに、ショウタ君のマイペースさには、私ですらついていけない。何考えてるかも、わからないし。
「行こ」
 プリ機の間を縫って、お目当てのプリ機に辿りつくまでに、カップルをたくさん目にした。
 ついこの間まで、何はしゃいでんだとか思っていた私が、あのカップル達の様にはしゃいでる。それが、あまりにもおかしくて、一人で微笑んでいた。
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