甘めな年下くん☆
「あたしもね、那智を傷つけちゃってごめんなさい。ずっと悩んでたの。ごめんね」
那智はクスッと笑った。
「花乃は、可愛いな。やっぱ...望が許せねー」
グーにすると、空を殴った。
「ってか、何で喧嘩してたのか分かんないよね」
「あーそうだね。僕もよく分かんないや。」
また、人が通った。
風が、通る。
秋風の涼しい、匂いがした。
「家でも話せなかったしさ。タイミングつかめなくて」
「あー分かる。昨日、トイレではち合わせたじゃん....あの時話そうとしたら那智、避けてくんだもん。」
そう、昨日。
トイレで鉢合わせ。
超きまづくて、『あっ』と声を漏らしてしまった。