甘めな年下くん☆
「本当、好きな人居ないんだ?」
「はっ?」
あたしに確かめるように首をかしげた。
「居ないって。好きな人って分かんないし」
「じゃあさ、目ぇ瞑ってみ」
言われた通りに目をつぶる。
「瞑った時に、最初に浮かんでくる人は誰?」
真っ暗な中で、だんだんと人が近づいてくる。
ぼやけていた影がハッキリと映る。
「目ぇ、開けて」
「うん....」
「あのね?すぐに映った人が、花乃の好きな人だよ」
まさか。
あの人が好き?
「どうかした?」
何でも無いなんて言えなくて。
あたしは無言のままリビングを飛び出した-