もっと、生きてほしかった……
「ははっ……
やっぱりな…。」
海斗の乾いた笑い声が病室中に響く。
今回、たまたま病室が個人部屋だったため今ここにいるのは海斗と私だけだった…。
だから余計海斗の笑い声が大きく聞こえた。
「なん……っで?」
「え?」
「何で……海斗じゃなきゃいけなかったの…?」
とっさに私の頬には大粒の涙が流れていた。
何で?
神様はなぜ、海斗を選んだの?
私たち、十分傷ついたでしょ?
もう、沢山傷ついたのに………
どうして報われないの…?
「お前が泣くなよ…。
美波。」
「?何?」
その時の海斗の顔
私は今でも忘れない。
あれほど海斗の強い顔は、見たことが無かった…。
そう。
まるで、自分の命を犠牲にしてまで誰かをかばおうとする目を……………