もっと、生きてほしかった……
「夏歩おはよー!!」
入口近くにいた夏歩に声をかけた。
……………のに、夏歩からの返事は無い。
「夏歩?」
心配になって夏歩のもとに行くと……
「み゛な゛み゛〜!」
目を真っ赤に腫らした夏歩が、いた…。
「何?!
どうしたの?!」
「昨日、駅前で見ちゃったの!!!」
見た…?
一体、何を…?
夏歩が騒いでるぐらいだから、並大抵のものじゃないってことは分かるけど……。
「何を見たの…?」
「昂が昨日の夜、駅前で年上の女っぽい人と腕組みながら歩いてたの〜!」
……えっ?
あの、昂が?
年上の女の人と?
腕組みながら?
「それ、夏歩の見間違いじゃないの〜?(笑)」
「違うもん!
あれは絶対昂だった!!」
……としたら、
昂は二股をかけてる?
って、まさかあの夏歩には臆病な昂が?
あるわけ無いよね〜
でも、夏歩もああ言ってるし?
昂に聞いてみるか。
「分かった。
じゃあ、私から昂に聞いてみる。」
「美波〜ありがと〜!
じゃあまたあとで!!!」
そう言って、
夏歩は自分の席に戻っていった……。