もっと、生きてほしかった……



「相手の女の人を呼び出して、直接話そう!」



「そんなのムリだって!
私には、昂を騙すことなんてできないよ…。」



「何言ってんのよ!!!

夏歩、あんたいつまで自分のキモチに嘘つくわけ?!

好きなんでしょ?!

だったら諦めんな!!!」




自分でもビックリするぐらい大きな声………


夏歩も相当驚いたのか目が点になっている。



「夏歩……
今がチャンスなんだよ?

昂のこと、幸せにしなきゃいけないんでしょ?

昂が幸せになる時、隣に誰がいるの?
違う女の人でもいいの?

夏歩にだって、
幸せになる権利はあるんだから…。」



「美波………」




私だってそうだった…。



夏歩みたいに迷ったよ?




海斗は私の支えでもあった……。

なのに、私はそれに気づくのが遅かったの…。



夏歩なら、
まだガンバれるんだよ。



今ならまだ、踏ん張れるんだよ!



「大丈夫。
私はいつだって、夏歩の傍にいるよ?

だから、悲しい時はいつでもおいでよ…。」



「う〜
美波〜(泣)

私、ガンバる!

だから、私の傍にいてね?」



「もちろんっ!」




その日は夜の間もずっと2人で笑いあいながら眠った。



きっと、夏歩なら、大丈夫だよ……………




< 164 / 305 >

この作品をシェア

pagetop