もっと、生きてほしかった……



一通り終えたらもうグッタリしている私。




「はぁ…はぁ……」



そして、肩で息をする。


ずっと、ずっと、
海斗の全ては私のモノ。



勝手かもしれない…。



でも、誰にも渡したくないの………



それが今になって分かったの…。




バカだよね……


結局私は、あなたがいないと生きていけないんだから…。





夏歩………


あなたは、どうなの?




「美波?
お前、今日何かあった?」



「えっ…?」



「イヤ……
何か、今日のお前何だかいつもと違うから。

素直っつーか、やたらと甘えてくるじゃん。」




海斗………
やっぱり、私のことよく見てくれてる。



どうして分かっちゃうんだろ……

ずっとそう思ってたけど、それはやっぱり私のことを見てくれてるから…。



何か、最近海斗の一言一言に自分が狂いそうになるよ……。




「夏歩と昂が、別れたの……。」



「はっ?」




海斗になら、いいよね?



もしかしたら何か知ってるかもしれない………



昂と仲のいい海斗なら、何か知ってるかも。



「持病持ちの幼なじみがいるらしいんだけど…。

海斗、何か聞いてない?」



「それって…。
やっぱり“あの人”が原因なのか…?」




“あの人”…?



「あの人って、誰?」



「実は、俺と空も逢ったことあんだよ。

その女に……。」




ドクンッ



女の人…………


って、やっぱり相手の…!



「その人、20成り立てってぐらいの歳でさ…。

どっかで見たことあるな……って顔だったんだ…。」




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