もっと、生きてほしかった……
教室に戻ると、夏歩が難しい顔をして席に座っていた。
「夏歩?
送ったの?」
「ん〜
送信ボタンが押せなくて……。
てか、ちょっと変な感じ。」
何ーだ……
送信ボタンが押せないって(笑)
「何が変な感じなの?」
「この相手の女の人、
坂城春菜[サカキハルナ]さんって言うっぽいけど私と同じ苗字じゃん?
世の中も分かんないよね。
同じ苗字の人がこんなに身近にいるってさ…。」
確かに。
特に、“坂城”なんて珍しいもんね。
やっぱり、直接逢わせてあげなきゃっ
「大丈夫。
早く送信しな。
夏歩には私がついてるんだから。」
「美波…。
うんっ!送るね。」
そう言って、夏歩は送信ボタンを押した。
画面には“送信完了”の文字………
よしっ
これで準備は終わった。
あとは放課後だね…。
返信はあっという間に来た。
「美波、○○病院の中の喫茶店で待ってるって。
ここ、海斗が入院してるとこだよね?
てか、病気なのかな…?」
心配するのもムリないよね……。
ましてや、姉妹だもん………
夏歩が知ったとき、きっと驚くよね…。
「大丈夫。
あとは、放課後になってからだよ。」
「そうだね!」