もっと、生きてほしかった……
病院の喫茶店に着いた。
学校からは15分の距離………
その間、私と夏歩はほぼ無言状態だったけど…。
「あれ……
あそこに1人で座ってる女の人かな…?」
夏歩の言った方をみると、確かに1人女の人が窓の外の景色を見て座っていた。
角度的に女の人の顔は見えないけど…。
「あの〜
坂城春菜さんですか?」
おずおずと夏歩が声をかけると、静かに女の人が振り向いた。
「……!」
そのまま固まってしまった夏歩………
無理はない。
その女の人は、
夏歩そっくりだったんだから……………
「あなたたち、誰?」
声のトーンも高く、いかにもキレイで可愛らしい女の人………春菜さん。
「あの…?」
いつまでも黙っている私たちに不安そうに声をかけてくる。
夏歩は未だに固まっている。
仕方ない。
ここは私が言うか。
「スイマセン。
昂のケータイで呼び出した者です。」
その瞬間、春菜さんも目を見開いた。
「昂のこと、知ってるんですか…?」
「はい。
同じクラスの友だちなんで……。」