もっと、生きてほしかった……
「そう、だったんですか……。
良かったぁ……」
「えっ…?」
「あなたがちゃんと、昂を好きでホントに良かったです。
春菜さん………
これからも昂のこと、頼みますね?」
まるで、昂のお母さんになったみたいと笑いながら夏歩は話していた。
それからしばらく、両方の間に沈黙が流れた…。
今のうちに、話そう。
直感で、私は今話すことを決意した。
「あの……春菜さん。
あなた、心臓病らしいですね…。」
『えっ?』
2人同時にハモった。
「?そうよ。
生まれてすぐに見つかったらしくて…。
私は病気のせいで、親に捨てられたの。
お母さんたち、仕事で忙しかったらしいから。
でも、捨てられたことより気になることがある。
私が捨てられる少し前に生まれた、妹。
探してるんだけど、なかなか見つけられなくて…。」
妹がいること、知ってるんだ。
春菜さんは………
「もし、その妹さんを知ってるって言ったらどうしますか?」
「何言ってんの?美波…。」
「知ってるんですか?!」
「はい。
私は、知ってます。」
2人とも驚きのあまりか、目が大きく見開かれていた。
「教えてください!!」
春菜さんの急かしの言葉とともに………
「ここにいる、
坂城夏歩です……。」
春菜さんも夏歩もお互いを見合わせて、
『えっ?!』
大声をだした。