もっと、生きてほしかった……
「待って……
私、お母さんに聞いたことないよ?
姉妹がいるなんて…。」
春菜さんは今も信じられないと言うように、夏歩を重視している。
「当たり前よ。
だって、春菜さんを捨てたんだから。
罪悪感もあって知られたくなかったのよ。」
「でも、どうして…。」
「最初に気になったのは、夏歩も春菜さんも昂が幼なじみと言ったこと。
普通ならおかしいじゃない?
同じ苗字の2人がともに昂の幼なじみなんて。
まるで、2人は姉妹ですって言ってるようなものじゃない?」
確かに……
と言うように、2人は首を縦に振った。
これで、お互い分かったかな?
「じゃあ……ホントに…っ!」
「うん。
正真正銘、夏歩のお姉さんよ。春菜さんは。」
私が確信と言うように答えると、春菜さんの頬に一筋の涙が伝った…。
「やっと……
やっと逢えた……っ
私の、妹に……!」
春菜さん………
あなたは捨てられてから、ずっと心残りだったんですよね?
ずっと、忘れられなかった。
妹を1人にしてきたこと………
一言も喋れないまま、別れてしまったこと………
全部全部、
心残りだったんですよね?
「春菜さんが……」
ボーッとしていた夏歩の頬にも、涙が伝っていた。
「お姉ちゃん…っ」
そのまますがり付くように、席をたち春菜さんの胸に飛び込んでいった。
「夏歩……
ゴメンね…!
あなたを1人にしてしまったこと、ずっと気にかけてたのに……。」
「ううん…!
良かった。生きてる間に逢えて、良かったよぉ……」
今まで弱音1つ溢さなかった夏歩が、今、お姉さんの前で泣いている。
私には見せない一面。
それも、姉妹という絆の強さなんだよね…。