もっと、生きてほしかった……



2人で抱き合っている所で、私は回りの視線に気づき………



「あの〜2人ともさ……
目立ってるし場所変えた方がいいんじゃない?」



「そうね。
夏歩、良かったら私の病室来てよ!

もっと、話したいし。」



「うんっ!」




そして、私たちは春菜さんの病室に向かった。



せっかく2人逢えたんだし、私は海斗のとこにでも行くか。



「私は海斗のとこに行くから。
夏歩、帰る時連絡してね。」



「分かった!
バイバイ!」




そのまま私だけ別れ、海斗の病室に向かった。



「海斗!
ただいまっ!」



「美波…。
おかえり。」




あれ?
心なしか、海斗元気ない?



「どうかした?
元気ないみたいだけど。」



「あー、
今日、今までにないくらい大量に血、吐いちまって……。

で、ちょっとしんどいからさ…。」




海、斗………


少しずつ進行してるって、ことだよね?



そういや、今まで聞かなかったけど、海斗はいつまでもつのかな…?



1ヶ月?

1年?

10年?



知らない間に、どんどん時間は進んでるんだ…。



その分、私たちが共に過ごせる時間も少なくなってるんだ……。




「大丈夫?
少し寝たら?」



不安が全くないなんてことは、絶対ない……。




でも、せめて海斗の前では笑顔でいなきゃ…っ



海斗を不安にさせたらダメだ……………



「ん。そうするわ。
美波、傍にいといてくれよ?」



「当たり前…。
私は海斗の彼女なんだから!」




こんなことを言ってられるのも、あとどれくらいなのか……。



私は急に、不安に襲われるようになった……―――




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