もっと、生きてほしかった……
「海斗!
ただいま〜!」
「美…波……
おか…え…り。」
最近、ハッキリ喋れなくなった海斗……――――
先生によると、
病気が悪化してるせいだと言われた……。
でも、私はまだ諦めたわけじゃない。
ここで挫けたら私の、海斗の、人生の終わりだから。
待ってて?
必ず、海斗の病気は治してみせる……!
「海斗。
プリン、食べない?
買ってきたんだ!
一緒に、食べよ?」
「悪…ぃ……
今…食欲……ねぇや。
い、いよ。
見…とく、から。」
そう言って、優しく微笑んだ…。
前なら、歯見せて意地悪そうな笑顔見せてたのに……。
変わったね………
海斗……――――
「いいもんっ!
1人で食べるから。」
怒ったフリして、頬を膨らませ、少し乱暴にプリンを食べ始める。
いつもなら、
『バーカ!
嘘!ほら、食うぞ!!』
って、美味しそうにバクバク食べるのに………
病気は全てを変えてしまったんだ……――――
イヤだな……。
海斗は意地悪じゃなきゃ…………
また、無邪気な笑顔で頭撫でて欲しいよ…。
ねぇ、海斗…?
あなたに私のココロの声は、届かないの―――?