もっと、生きてほしかった……



「諦めてるっていうより、一応知っときたいんだ…。」




海斗は私の考えを見抜いたように言った……。



「そんなに、知りたいの…?
なら、教えてあげる。

でもこれだけは分かっててほしい……。

余命が近いからって諦めてほしくないこと。

そして、私が傍にいるって……こと。」



「美波………
ん。分かった。約束する。」




よし!

この条件は、私の中で絶対だった…。



1人だって思ってほしくない……―――



海斗の傍には必ず私がいる―――。



ただ、覚えていてほしかった――………



「約束だよ?
なら、教えてあげるから。



海斗は………


海斗の余命は…………





もって、1、2ヶ月だって……―――」




私の言葉を最後まで黙って聞き入れ、喋り終えたと同時に海斗の顔を見上げた―――



その時の海斗の顔………


私は一生忘れない。



強い瞳


まるで自分の余命を聞いてスッキリしてるようにも見えた……。



「海斗…?」



「良かった…。
美波の口から聞けて……

これで、悔いの残らない人生にできる…!」




………海斗。


私は、何て言葉を返したらいいのかな……?



ここで頷いたら、あなたが死ぬのを受け入れなくてはならない……。



まだまだ若いのに……

まだまだやることいっぱいあるのに……


どこまでも、
神様は
残酷なんだね。



あなたが存在するのなら、私は有無を言わさず憎むのに―――。



「神様って、
残酷だね……――――」




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