もっと、生きてほしかった……



病室に戻ると、海斗の主治医と数名の看護婦が慌ただしく動いていた。


そして、私たちの存在に気づき主治医がとんできた。



「海斗くん!!
どこ行ってたんだ?!

下手すると倒れてたんだぞ?!」



「……スイマセン。」




ホント何謝ってんのよ…。

こんな海斗の病気も治せない医者に頭下げなくていいんだよ?



「まぁいい。
早く戻りなさい。」



「先生!!!」




私の大声に驚いたのか、主治医も看護婦も海斗までもが、いっせいに私を見た。


「美波…?」



「先生にお願いがあるんです。

海斗に、1週間だけ外出許可をもらえませんか?」




最後の、わがままだから……――――



一度だけだから………




聞いてください――――



< 199 / 305 >

この作品をシェア

pagetop