もっと、生きてほしかった……
「はっ……?」
「姉貴の命が短いのなら……残りの人生、好きにさせてあげてもらえないでしょうか―――。」
僕のたった1つのわがままだった―――。
姉貴の残りの人生は、
自由に生きさせてやりたい―――。
好きな人と過ごして……
好きな場所に行って……
やり残したことをやって……
悔いの無い人生を生きさせてあげたい…………
でも、
この医者は悪魔だった――。
こんな普通な願いも、
叶えさせてはくれなかった―――。
「それは………
できません―――。
お姉さんの病気はすごく特殊なもので、今病院で研究しているんです……。
これからこんな患者が増えた時に助けられるように―――。
だから、研究が終わるまで帰すなと言われているんです………。」
本気でキレそうになった…………
姉貴を実験に使う気か――?
何で、あと1年と宣告された姉貴を病院に縛り付けるんだ!!
僕は許さない―――。
「姉貴を、
研究の実験に使うんですか?」
「まぁ、実験というか試しに開発した薬などを使おうかと………」
「ふざけんな!!!
姉貴を実験台にするだと?
開発した薬を使うだと?
姉貴はお前らの道具じゃねぇ!
連れて帰る!!」