もっと、生きてほしかった……
これほど人を憎んだことは無かった……――――
僕にはあり得ないというぐらい、その時は本気で怒っていた……。
先生の叫びを無視し、
僕は姉貴のもとへ向かった―――。
「姉貴!!」
勢いよく病室に入ると、やはり優しい微笑みを向ける姉貴がいた―――。
そして、その隣には1人の看護婦がいた。
「蒼。おかえり――。」
「看護婦さん!
何してるんですか?」
「新しい薬を持ってきたので――。」
新しい、薬――?
まさか………
開発したって言ってた……?
「まさか、研究で開発したっていう……?」
「はい。
新しい薬ですよ。」
「やめてください!
姉貴を実験台にするのは………」
姉貴の顔が「?」だった………
やっぱり知らなかったんだ………。
これ以上この病院においてはおけない―――。
「キャッ!」
僕は周りの視線に目もくれず、荷物を急いで詰めて姉貴を連れて病院を飛び出した―――。
急いで医者が走ってくるが気にもせず、タクシーに乗り家に向かった。