もっと、生きてほしかった……



「母さん……
前に先生に姉貴の余命、聞かされてたんだろ?」



「……えぇ。
でも、それが何か関係あるの?」




母さん………

なかなか僕に話せなかったんだ―――。



姉貴の余命なんて、
言ったら認めるようなもんだもんな。



「今日先生に呼ばれたから、行って聞かされた。

あと、1年だって――。

だから僕言ったんだ。
姉貴の残りの人生は姉貴の好きにさせてほしいって………

あんな窮屈な場所に姉貴を縛り付けたくなかったから―――。

そしたら、
研究してるから終わるまで帰すなって言われたらしい―――。

それで、姉貴を道具みたいに開発した薬を試していきたいって言ったんだ…。

もし、その薬が悪かったら命に関わるほどなのに………

アイツらは試そうとしたんだ………」




一気に話した………。



全てを――――




「…………」



2人とも、
驚きでか目がずっと泳いでいた……。



話したのは良いけど、
これからどうすればいいんだ―――?




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