もっと、生きてほしかった……
「私、気づいてた……。
もう自分の命が短いこと―――。
お母さん。
お父さん。
蒼。
みんな、私のためにありがとう―――。」
「美奈子…!」
母さんは、
姉貴のもとに行き強く抱きしめた―――。
姉貴の体は強く抱きしめると今にも折れそうなほど細くて見てて痛々しかった……――――
「ゴメンね……。
美奈子………」
「何言ってるの?
私、お母さんに感謝してるんだよ?
普通の女の人みたいに結婚して子供を産んでってことはできなかったけど、この世に生まれてこれた―――。
お父さんとお母さんの間にできた子供として……。」
「みな……こ…!」
「だから嬉しいの…。
今もこんなに私に尽くしてくれる―――。
お母さん!
私を生んでくれてありがとう!
この世に生んでくれてありがとう!」
姉貴………
「私も、美奈子を、生んで、良かったよ?
美奈子…。
この家に生まれてきてくれて、ありがとう……――――」
「お母さん…!」
それからしばらくの間、姉貴と母さんは抱き合っていた。
そんな姿を、
僕と父さんは温かい目で見ていた……。