もっと、生きてほしかった……



次の日。

今日からは私が海斗の家に迎えに行くことになった…。



まぁ、道端で倒れられたら誰も気づかないからだけど……。



「海斗っ!
おはよ!!」




眠たい目をこすって海斗が家から出てきた。



海斗の家は新しいマンションで、その一室に海斗のお父さんお母さんと3人で暮らしていた。



今は結婚して家を出ていったお兄さんもこの家族の一員だった。



そんなお兄さんは医者になってバリバリ働いているらしい…(笑)



「おはよ…。
美波…ふあぁ……」




そんなお兄さんとは大違いのだらしない海斗。



「久々の学校なのに、寝不足?だらしないよ?」



「どうせだらしないですよー。ほら、行くぞ?」




そう言って何気なく私の手をとる。



反則…/////



「はいはい。
だらしない海斗くんも朝から手繋ぐなんて、甘えん坊ですね(笑)」



「じゃあ離す?」




そして、いつも意地悪…/////



あえて私が否定することを言うんだもん……。



「別にいいよ!」



「お前ホンっト可愛くねーな(笑)」




学校近く………


みんな私たちを見て顔を赤らめる。



羨ましいのか?

陰口か?



そんなの気にしない。


隣は海斗。



それだけでいい。



「海斗…。
大好きだよ!」



「?俺も。」




今はこんな普通でいい。



これが当たり前でいいんだ…。


お互いが愛し合ってるだけで―――。




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