もっと、生きてほしかった……



そんな言葉の後に、海斗は私を優しく抱きしめた……。




ズルいよ……―――



いっつも海斗ばっかり強がって………


分かってる――。



ホントは私を守るための仮面であることも――。



辛いのにガマンしてるのだって分かってるよ?



だからこそ、ホントの海斗でいてほしいのに……何でそんなにムリするの?



私の前なんだから、私だけなんだから………

少しは泣いてよ……?



少しくらい弱いとこ見せてよ……。



「強がんないでよ……。
ホントは泣きたいくせに………

そんな海斗、全然カッコよくないんだから…!

少しくらい弱いとこ見せてよ……(泣)」



「みな…み?」



「ねぇ…だったら約束してよ…。

最後まで私を守るって約束してよ!」




ムリな願いだってくらい分かってる――。


でも、何かで海斗を繋ぎ止めていたかった……――――



二度と逢えなくなるまで、海斗を私という存在で縛っていたかったの――。



一生守られることのない約束――――


私たちにとっては破らなくてはならない約束だった………



ゴメン―――
私は最後までわがままだよね……?


苦しいくらい辛い恋をしてしまった―――



でも、お互いが安らげる恋でもあった…。



私、海斗がいなくなって忘れられるのかな――?



いつか、忘れてるのかな――?



「分かった。
約束するよ…?

必ず、守るから――。」




海斗―――。


あなたはこの時、どんなキモチで私と約束を交わしたのかな……。



守ることのできない約束を、あなたはどんなキモチで交わしたの――?



「破ったらしょうちしないから……。」



「あぁ…。」




その後は、私もあまり記憶にない――。



ただ何も考えずご飯を作り、海斗と食べていた…。



「ごちそうさま。
美波、すげぇ美味かった!」




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