もっと、生きてほしかった……
「みな……み……
救……急車…っ呼べ…!」
……!!
そうだ!
私がパニックになったらダメだ!
今海斗を救えるのは私だけ…!
ピピピっ
急いで受話器を取り、119番を押した。
「はい。
○○消防署です。」
「あの!
海斗が!
救急車を…救急車を呼んでください!!」
「落ち着いてください。
場所はどこですか?」
「○○町の○○マンションです!」
「分かりました。
すぐ行くのでもう少し待っててください!」
電話はそこで切られ、私は受話器を戻さずに海斗の元へ戻った。
「海斗!!
もうすぐ救急車来るから!
もう少し我慢してね!?」
「み………な……み……
ゴメ……ン…な………」
何、謝ってるの…?
希望、捨ててるの…?
もう、ムリなの…?
どうして……!
「何で謝るの!?
海斗は悪くないよ?
まだ、生きれるんだよ?!」
しばらくして、救急車が駆けつけてきた。
家のなかは救急隊の人たちでごったがえになり、海斗は急いで病院に運ばれた。
救急車の中………
私の記憶はほとんどない――。
ただ、救急隊の人たちの声だけが私の頭に何度もリピートされていた……。